あっと株式会社におけるDX戦略について
2025年4月吉日
あっと株式会社
代表取締役 武野團
1. はじめに
あっと株式会社は、創業以来「世界中の人の健康を見守る」ことをミッションに、非侵襲毛細血管スコープの開発と社会実装を推進してまいりました。近年では、医療・ヘルスケア分野での活用にとどまらず、研究機関・企業・自治体との連携により、健康経営や健康増進に資するデータ取得と解析技術の提供を行っております。
生成AI、クラウド連携、IoT技術の急速な発展に伴い、当社ではこれらのデジタル技術を活用した業務・製品・サービスの高度化を経営の中核戦略と位置づけています。
本戦略では、社内外の技術資産やデータを統合し、「誰でも・どこでも・客観的に」毛細血管指標による健康状態の可視化を可能とする社会インフラづくりを目指してDXを加速させてまいります。
2. DX戦略の柱
① 測定から解析・フィードバックまでの一貫したデジタル化
現在開発中のオートフォーカス型毛細血管スコープにおいて、撮影から画像解析、指標数値化までを一気通貫で自動処理する仕組みを構築中です。
これにより、これまで専門的なオペレーションを必要としていた撮影・評価工程の属人性を排除し、誰でも高精度な評価が可能なシステムを目指します。
② 顧客・研究・販売データの統合と活用
顧客管理(CRM)、測定データ、研究成果、販売履歴などの情報をクラウド基盤上で統合管理することで、サービスのパーソナライズ、ユーザー理解の深化、研究開発テーマの探索を可能とします。
また、当社が保有する大量の毛細血管動画データと評価指標を機械学習へと活用し、将来的なAI健康予測モデルの構築を見据えています。
3. DX推進体制と人材育成
DX推進のため、CEO直下に「DX推進室」を設置し、開発・営業・研究・業務支援チームが部門横断で連携するプロジェクト体制を構築します。
また、社員に対しては、医療×AI・デジタル技術に関する学習機会を提供し、DX人材の育成と専門性の強化を図ってまいります。
4. システム・インフラの整備
- 毛細血管スコープとクラウド型毛細血管画像解析システム(CAS / CASRating)とのシームレスな連携強化
- 測定機器のIoT化
- PHR等とのAPI連携強化
5. DX進捗のKPI
- クラウド型毛細血管画像解析システムを用いた解析件数:月間1,000件以上
- 社内IT化率(紙→デジタル):90%以上
- 顧客DBと測定データの連携率:80%以上
6. 情報発信とステークホルダー連携
- Webサイトやプレスリリース等を通じて、DXの進捗や新機能を定期発信
- 展示会(ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット、学会等)でのデモ実施
- 大学・研究機関との共同研究成果を論文・学会で発表
結び
あっと株式会社は、「世界中の人の健康を見守る社会インフラ企業」として、デジタル技術の力を最大限に活用し、未病・健康増進の領域に新たな価値を創出してまいります。
DX推進を通じて、社員一人ひとりがやりがいと成長を実感できる環境づくりにも注力し、技術と人を両輪に、持続可能な未来を実現してまいります。